もちもち図鑑【番外編:白玉粉・だんご粉・もち粉の違いを実際に作って比べてみました】
こんにちは。ふくふく堂、ネコです。
「もちもち図鑑」は、もちもちな食べ物が大好きな私が、独断と偏見でもちもち度を評価する図鑑です。普段はスイーツやパンなど「もちもち」と名の付く商品を食べ、もちもち度と美味しさについてレビューしています。
その番外編として、今回は、ずっと気になっていた 『白玉粉・だんご粉・もち粉 の違い』について、実際に作って比べてみたので感じたことをまとめました。
はじめに
まず、それぞれの粉について『クックパッド料理の基本』から引用させて頂くと、下記のような特徴があると言われています。
だんご粉・・・原料はうるち米ともち米。コシが強めな食感になる。
もち粉・・・原料はもち米。キメが細かくなめらかな食感になる。
以上の特徴については、これまでも気になってネットで調べたり、パッケージに書いてあるのを見ていたので、知識としてなんとなく頭に入ってはいましたが、実際どれくらい違うのか体感したことはありませんでした。
そこで今回は、シンプルにそれぞれの粉で団子を作り、食感の違いを確かめてみたいと思います。
<参考>
白玉粉・上新粉・もち粉・だんご粉の違いと代用について - クックパッド料理の基本
調理条件
同じブランドのもので統一できなかったのですが、違いがわかりやすいように下記の条件で料理・比較しました。
・それぞれ粉50g
・食感をわかりやすくするため、どの粉も直径約2cmの団子状に成形。
・作り方はそれぞれの袋に記載の調理法にて調理。ただし、もち粉には団子の作り方の記載がなかったため、同じ粉状のだんご粉の袋に記載の方法で調理。
作り方
白玉粉
①白玉粉50gに水を少しずつ加え、耳たぶくらいのやわらかさになるまでよくこねる。
②適量を手で丸め、沸騰したお湯で茹でる。白玉が浮いてきたら約2分で引き上げ、冷水で冷やし、水気をきる。
だんご粉・もち粉
①粉50gにぬるま湯を少しずつ加え、耳たぶくらいのやわらかさになるまでよくこねる。
②棒状にのばし適当な大きさに切って丸め、沸騰したお湯で茹でる。だんごが浮いてきたら約3分で引き上げ、冷水で冷やし、水気をきる。
結果
それぞれの特徴について
白玉粉
・写真からもわかるように、“つるっと”を通り越して“ぬめっと”するくらい、みずみずしい。
・かなり弾力があり、一回では噛み切れない。一瞬、歯にねばっとくっつく。
だんご粉
・白玉粉・だんご粉と異なり、みずみずしさは外も中もない。
・歯切れがよく、もちもちという弾力はあまりない。
もち粉
・見た目や触った感じは、白玉粉とほとんど変わらずみずみずしい。
・食感も白玉粉とかなり近いが、こちらの方がよりぷるんとしているように感じた。ねばっと歯にくっつく感じも弱いように思う。断面写真を比べると、もち粉の方がキメが細かくさらっとして見える。
まとめ
見た目も食感も、白玉粉ともち粉はとても似ており、だんご粉だけが他の二つとは大きく異なることが、はっきりわかりました。これは、白玉粉ともち粉の原料がもち米のみなのに対し、だんご粉はもち米とうるち米が原料という違いからくるものだ考えられます。
また、最初に挙げた一般的に言われている特徴と、実際食べて感じた特徴を比較してみても、相違はなく、それぞれの説明を身をもって理解できました。食感や味は、言葉で説明を聞いても、実際味わってみないとピンとこないので、今回の企画でスッキリしました。
私は餅類全般好きなのですが、改めて食べ比べて、私はもち粉の食感が、旦那さんはだんご粉の食感が好みだということだわかりました。それぞれの粉の特徴を知っていれば、自分好みの食感を作り出すことができるので、まずは自分の好みを知るためにも、お家で作って食べ比べてみると楽しいですよ!
尚、上新粉についても比較したかったのですが、調理方法が全く異なったため今回は除外しました。もちもちなスイーツには、白玉粉・だんご粉・もち粉・上新粉のどれか、またはブレンドされて使われていることが多いです。そのスイーツでどんな食感を再現したいかで量や配合が変わってくるのだということがよくわかります。
今後は原材料と食感を意識しながら、もっともちもちスイーツを楽しみましょう!
【好きなお店】どうしてもここのパンが食べたくなるー山のパン屋 Daddys Bakery(稲美店)
今週のお題「好きなお店」
「どうしてもあの店のパンが食べたい。」
時折、そんな衝動が訪れる。
日々の基本的な食事は三食とも米なのだが、パンが好きである。特にバゲットやフランスパン、カンパーニュ等のハードタイプのパン。
しかし、ハードタイプのパンが美味しい店は、なかなか見つからない気がするのである。「美味しいけど、ちょっと違う」と思いながら食べていることも多い。
そんな私のお気に入りは「山のパン屋 Daddys Bakery」だ。2店舗あるようだが、我が家から行くならば稲美店。決して近くは無いのだが、大好きな曲をかけながらドライブするのにちょうどいい。
知り合いに教えてもらい、食べてみたらどストライクだった。昼食用に、フランスパンに具材が挟まっているタイプのものを買うことが多いのだが、この店のを食べたときに、美味しくて歓喜した。
表面がパリっとしているのに中が硬すぎず歯切れがいい。そのため、具材と一緒に頬張ってもバラバラにならない。しかし噛み応えがあって、フランスパン自体の食感も味も楽しめる。
満点。毎日食べたい。
シンプルな食パン・バゲットから、おやつ向けのパンや総菜パンも充実しており、毎回どれを買うか迷ってしまう。「前回食べたのも美味しかったから外せないし、あっちはまだ食べたことないから気になる・・・」といった具合で店内をぐるぐるするが、いつも決められず焦ってしまい、頭がパンクしそうになる。
チーズやナッツ、ベリーが入っているもの、クリームが挟まっているもの、デニッシュにカレーパンやあんぱんも・・・どれも私好みで美味しそうなのだ。
中でも『明太子フランス』は知人から美味しいと聞いていたのに、なかなか出会えず気になっていた。いつも売り切れているのだ。
一度、店員さんに「明太子フランスは焼きあがらないですか?」とわざわざ聞いていたお客さんもいたため、期待が高まってしまうのは無理もないことだ。
それが、ラッキーなことにやっと出会えた。しかも最後の1つ。すぐに次が焼きあがってくる気配もない。迷う余地など無かった。
見た目は普通の『明太子フランス』だし、ひと口食べてもそんなに変わったところはなさそうだった。だが、噛んでいるうちに美味しさに気づいた。
私は、『明太子フランス』にはハズレがあると思っている。パンが硬すぎる時と、明太子がしょっぱすぎる時だ。パリパリの表面が歯茎に刺さった経験がある方はいないだろうか。あれは、非常に残念な気持ちになる。
しかし、「山のパン屋 Daddys Bakery」の『明太子フランス』は、この店の美味しいフランスパンと明太子の相性が抜群だった。しょっぱすぎずまろやかで、噛めば噛むほど明太子とパンの味わいがクセになる。焼き立てではなかったが、全く問題なかった。
次は私も「明太子フランス、焼きあがらないですか?」と聞いてしまうかもしれない。
「山のパン屋 Daddys Bakery」の面白いところが、自社栽培小麦を使用しているところだ。小麦を一から育て、製粉も昔ながらの手間のかかる製法で自社で行っているという。中でもお店自慢の「一尺二寸」というパンは、“毎日三食お米のように食べられるパン”を目指して作られた素朴な味わいのパンだ。
そんなオーナーのこだわりが詰まった「山のパン屋 Daddys Bakery 稲美店」は、絶えずお客さんが出入りする人気店。雰囲気のある外観とお店の名前が入ったバスがとまっているのが目印である。
店内にはトースターもあり、購入したパンを温めることができる。スープや飲み物も販売しており、駐車場も広めなので、ドライブがてら訪れてみてはいかがだろうか。
※テラス席があるが、コロナウイルス感染拡大防止のため現在はテイクアウトのみ。
山のパン屋 Daddys Bakery
<西宮店>
〒651-1423
兵庫県西宮市山口町船坂字中垣ノ内90
Tel & Fax 078-907-3920
<稲美店>
〒675-1105
Tel & Fax 079-490-4233
『好きなものを「推す」だけ。-共感される文章術』は、ブログを始めたばかりの私に必要な本でした。
文章についてのノウハウ本をブログで紹介するのは、なかなかハードルが高いが、ブログを始めたばかりの自分にとって非常に参考になり、読み物としても面白かったため紹介したいと思う。
ゲームジャーナリストであり、2014年に立ち上げたブログ「ゲーマー日日新聞」で2500万PVを達成したJiniさんが、「推し」と「推す文章術」を徹底解説した書籍。
私に必要だったJiniさんの言葉
書籍を読んだことのある方は、このブログを読んで「全然活かせてないよ!」と思うかもしれないが見逃してほしい。私自身ブログを始めたばかりで色々と迷っていたため、この本を手に取ったのである。スキルは追々磨いていくとして、シンプルに自身の参考になった個所についてご紹介しよう。
本当に好きなものこそ、なかなか書けない
好きなものならいくらでも書けると思っていた。しかし、愛が強すぎてまとまらない。好きすぎて相応しい言葉が見つからない。なんなら「好きなはずなのに書けないなんて、本当に好きと言えるのだろうか・・・」という胸が苦しくなるほどの自問自答に陥ったりもする。
Jiniさんはそんな悩みに答えをくれた。
“本気で恋に落ちてしまった大本命の推し、いわば「神推し」”の推し文は、一発で書けるものではないというのだ。書きたいこと、好きな部分が多いからこそ、一番好きなポイントから書き、それを積み上げ「好きの塔」を組み立てていく必要があると。
しかもJiniさん自身も、神推しのゲームを、まだ推していないという。
恥ずかしながら、実はまだ『The Last of Us*1』を推していません。
5年もやっていて情けない話ですが、結局好きすぎて、まだその巨大な感情を言語化するにはいたっていないのです。
あとがきP,221より
これらの言葉は私を救った。大げさな表現ではなく、救ったのだ。書けないことで自分の「好き」という感情さえも疑い始めていたのだから、本当に読んでよかった。
私の「好き」という感情は紛れもないもので、じっくり書いていけばいいのだと教えてくれた。
そもそも社会性のない作品などあるでしょうか?という名言
私は、考察が好きである。小説・映画・ゲーム・マンガ・アニメ・・・どれにおいても「実はこういう意図もあったんじゃないか」とあれこれ推察したり、あいまいな終わり方をするストーリーでは、様々なパターンでその後を考える。もちろん作者が意図していない場合もあるが、正解か間違いかではなく様々な角度から考えるのが楽しいのである。
しかし、それを発信するとなると少し足踏みをしていまう。その作品に対する感想に、歴史や社会などの大きな枠組みが絡んでいる時、書いていて「ちょっとオーバーかな?」と感じることがある。すると、好きだからこそ、読者に「胡散臭いと思われたくない」という気持ちで、どこまで文章化すべきか迷ってしまうのだ。
だからと言って、それらを書かなければ自分の感想とは言えないし、発信する価値のない薄っぺらい文章になってしまう。
しかし、Jiniさんはこれを、作品の背景や社会・メッセージ部分を論じる手法「批評推し」と名付けていた。作品の表面に出てこない部分で、相手に共感してもらおうというものだ。
そもそも、社会性のない作品などあるでしょうか?
ー中略ー
作品であれ、人であれ、モノであれ、それが人間社会から生まれた以上は当然、その社会や歴史、文化の影響を受けるものです。
第3章 推し文を書こう P.137より
この部分には「確かに」と納得するほか無かった。皆、日々何かしらの影響を受け、それが思想の一部となっている。自分が作品を見てそう思ったことなら、オーバーでもなんでもない。言葉や表現の仕方を学び、文章の質を向上させることは必要だが、自分の感じたことを世の中の出来事と絡めて表現することは悪いことではないと思えた。
まとめ ー 学んだのは、好きなものとの向き合い方
この本を知ったとき、発売にあたり「抽選で本をプレゼント」というキャンペーンをしていたが、私は迷わず買うことを選んだ。自分には今必要な本で、お金を払って得るべき価値のあるものだと思ったからだ。
そして実際読んでみると、その価値がある本だった。具体的なノウハウはもちろんだが、上記に紹介したような「取り組み方」という面で勉強になった部分も多かった。
この本を読むと、著者のJiniさんが、自分の好きなことに真摯に向き合ってきた方であることがよくわかる。『きかんしゃトーマス』の背景を熟知し、中学でロックに魅せられバンドを組み、高校でハマった映画を深く知るためにアカデミー賞受賞作品をすべて見、大学では世界中の名作と言われる本を読みまくるという、まさしく“オタクの鏡”だと思う。
そして、全力で好きなものと向き合ってきた先にあったのが「推す」という行為だ。やはり人は、心から好きで、知識が膨大な人には勝てない。そんなJiniさんのエピソードから文章術だけでなく、好きなものとの向き合い方も学んだように思う。
Jiniさんイチオシのテレビゲーム。6月19日に「The Last of Us 2」が発売になる。詳しい内容を知りたい方はオフィシャルサイトへ。TOPICS | The Last of Us | プレイステーション® オフィシャルサイト
パン作り初心者が今度は簡単リュスティックに挑戦。多少雑でも美味しくできました。
こんにちは、ふくふく堂です。相変わらず簡単なパンばかり作っています。
またまた、Youtuberの完全感覚ベイカーさんが、初心者に優しいパン作り動画をあげてくれたので挑戦してみました。今回は「リュスティック」。フランスパンの一種だそうですよ。
ここしばらく作っていた、シンプルなフランスパンとはちょっと違い、「牛乳を使って作る」ということだったので、どんな味わいなのか気になって作ってみました。
手順としては、一次発酵の途中で、「パンチ」という生地にこしを出す作業があるのが特徴的でした。
《完全感覚ベイカーさんの動画》
【牛乳のリュスティック】めちゃくちゃ簡単に美味しいパンができるレシピ(Easy way to make a Rustique)(難易度★)
材料は動画内で紹介しているように、強力粉(春よ恋)・牛乳・塩・イーストの4つのみ。ボウルの中で4つの材料を一気に混ぜてOKなんて、ラクチンですよね。
私は近所のスーパーで「カメリア」を調達したばかりだったので、そちらを使いました。更に、牛乳が若干足りなかったのですが、買いに行くのが面倒だったため、10ccほど水を足して使いました(笑)
今回に限らず、最近生地のまとまりが悪い気がするんですよね。分量通りなんですが、べちゃっとしてしまいます。粉の違いとか、湿度とかきっと関係あるんでしょう。
下の写真は60分の一次発酵が終わったところです。膨らんでいますが、ちょっと水っぽいような・・・混ぜ方が足りなかったか、べちゃっとしたまま発酵に入ったのがまずかったでしょうか。
ちなみに、動画内では「35℃で60分」発酵させていますが、我が家のオーブンは40℃までしか下らないので「40℃で50分」でやってみました。もうちょっと追加で発酵させた方がいいのか迷いましたが、多少膨らんでいたので、このまま進めました(笑)
それでも生地をボールから出し形を整えてみると、ほどよく発酵しているようでした。触った感じは“つきたてのお餅”みたいに、もたぁっとしてましたが、折りたたんで丸めたら、それなりに高さも出て形も崩れませんでした。
30分の一次発酵後(パンチ後)も問題なさそうでした。
あとは、成形と焼成です。成形の時に平たくしすぎたので、ちょっと薄くなってしまいましたが、牛乳のいい香りと共に、綺麗に焼きあがりました。
スチームもサボりましたが、ちゃんと焼けています(笑) ちなみ我が家のオーブンはなかなかきれいに焼き色がつかないので、長めに焼いています。今回は240℃で20分焼きました。ベイカーさんのパンは、いつもきれいに焼けていて羨ましいですよね(*´▽`*)
断面をベイカーさんのと比べると、気泡が荒い気がしますが、とても美味しくできましたよ!牛乳の香りはしますが、味は強くないので、確かにサンドイッチにもピッタリだと思います。また、もちもちなのに歯切れがよく、軽い食感で食べやすかったです。
材料やオーブンの温度など、多少変えてもちゃんと美味しい「リュスティック」が出来上がりました!少しくらい混ぜ方が足りなくても、発酵が足りなくても、スチームをサボっても、「大失敗でこんなの食べられない!」ということにはならなかったので、気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか?私のような、「めんどくさがりだけど焼き立てパンが食べたい!」という方にはピッタリの簡単レシピです( *´艸`)
ちなみに今日は、どうしても焼き立てパンを食べたい気分だったので、昼の12時頃に作り始め、発酵させている間にソーメンを一束だけ食べ、洗濯やら茶碗洗いなどをすませて、14時頃に焼き立てのパンを食べ、空いていた胃袋を満たしました!「そこまで調整してでも食べたいのか!」と突っ込まれそうですが、やっぱり焼き立ては最高なので、食べる準備を万全にしておかないとね!
【後編】『劇団四季ミュージカル』の再開を待ちながら、過去に観た作品を思い返す
前編に引き続き、今までに観た劇団四季ミュージカルを振り返っていきたいと思う。あらすじは前編と同じように、劇団四季のHPのURLを添付させていただくことにする。
リトルマーメイド
ミュージカル『リトルマーメイド』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
プロモーションVTRを見て、アリエルのツンととんがった髪型が衝撃だった方も多いのではないだろうか。この演出が、海中シーンと陸シーンとの差別化に非常に効果的だった。その他にも水中という特殊な環境を演出する工夫が随所にあり、舞台上に見事な海の世界が出現している。
この作品のミュージカル化で気になっていたのが、アリエルが声を失った後の展開だ。声を失うということは、もちろんアリエルが歌うシーンは無いはずだ。しかしラストで声を取り戻すまでアリエルが歌うナンバーが全く無いということもないだろう・・・そんなシロウトの素朴な疑問をよそに、ストーリーを改悪することなく表現されていたので、気になる方は劇場で確かめてほしい。
ハッピーエンドなストーリーに加え、終始カラフルなステージである。アースラが登場するシーンはダークな色遣いだが、アースラや取り巻きのウミヘビの演出も視覚的に面白く、小さなお子様から大人まで楽しく見られる作品だと思う。
大阪/大阪四季劇場での公演が7/12から再開される。
アラジン
ミュージカル『アラジン』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
見所は何と言っても、8分近く踊りっぱなしのジーニー登場シーン『理想の相棒ーフレンドライクミー』である。アニメーション映画でも、声優・山寺宏一さんがその才能を存分に発揮し有名なシーンだが、ミュージカルのジーニーも凄かった。激しいパフォーマンスをしながら、声優さん顔負けのさまざまな声を使い分けて演じていた。加えてあの声量、それはそれは聞いていて気持ちがいい。
それから、忘れてはいけないのが冒頭のシーンである。アニメーションでは怪しい商人が物語のプロローグとして歌っている『アラビアンナイト』。メインキャラが出てくるわけではないのに、魅惑的な曲調で、そこだけ何度も見るくらい好きだった。
それが、舞台上ではとてもボリューミーに、華やかになっていて、しかもジーニーが街を案内してくれる設定である。ジーニーの合図で幕が上がると同時にぐっと物語に引き込まれる。そして、本当に市場を歩いているかのような動きのある演出で、あっという間にアグラバーに迷い込むのだ。
また、アラジンの曲と言えば『ア ホール ニューワールド』や、上記で紹介した『理想の相棒ーフレンドライクミー』が有名だが、ミュージカルではそれ以外にも、バラードからダンスナンバーまで素敵な曲が目白押しなので、アニメーション映画を何度も見てる方でも新鮮だと思う。
クスっと笑えるコメディ要素もしっかり入っているので、友人や恋人・家族、誰と観てもハッピーになれる作品である。私が行ったときは、男の子も多く見に来ていて、まさに男女問わず楽しめる作品だと感じた。
東京/電通四季劇場[海]での公演が7/7から再開される。
ノートルダムの鐘
ミュージカル『ノートルダムの鐘』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
個人的には、今まで観た劇団四季ミュージカルの中でも、特に好きな作品である。だが、上記の2作品とは異なり、気軽に人を誘って見に行けるかというと悩ましい所だ。というのも、ディズニーのアニメーション映画を基にしているものの、ヴィクトル・ユゴーの原作小説に寄せた、シリアスなストーリーになっているからだ。メッセージ性・社会性がかなり強く、観た後もしばらく爪痕が残る。旦那さんと2人で観に行ったが、帰りはお互い沈黙し、色々と考え込んでしまった。
しかし私は、観終わってすぐ次の予約をするほど気に入った。
まず素晴らしかったのは“歌”である。「ミュージカルなんだから当たり前」と思わず、生で観てほしい。ノートルダム大聖堂を中心にストーリーが進む本作では、コーラスが聖歌隊に扮し、各ナンバーに荘厳な雰囲気と厚みを与えている。また、キャラクターそれぞれが悲劇的な宿命を背負っているため、魂の叫びとも言える歌声がどれもグッとくる。
それから、場面展開も注目すべき点だ。入場して舞台を見ると、大聖堂の柱や梁が固定されており、「大聖堂以外の場面はどうするのか」と始まる前から楽しみだった。するとその柱や梁は、酒場になり、広場になり、大聖堂の外観になり内部になり、カジモドの住む鐘付き場になったのだった。可動式の階段やベンチ等が巧みに使われ、動き回るキャラクターに合わせ風景が変わっていったのが印象的だ。
福岡/キャナルシティ劇場での公演が千秋楽まで中止になってしまい、次の公演についてはまだ発表されていないが、是非長く上演してほしい。
あなたは何を観たい?
さて、長々と前後編に渡って振り返ってみたが、いかがだっただろうか?あなたが観たことあるものも、まだ観たことのないものもあるだろう。もしかして、まだ一度もミュージカルというものを体感したことが無い方もいるかもしれない。
「セリフの代わりに突然歌いだすのが違和感があって、ミュージカルが苦手」という方もたまに聞くが、そうでなければ、どれも見ごたえがある。気になっている方はチャンスを逃す前に是非一度足を運んでみてほしい。
私自身、学生の時に「そのうち観に行こう」と悠長なことを考えていたら終わってしまった『ウィキッド』という演目がある。後悔する前に行くことをお勧めする。
もし踏み切れない場合は、まず ”劇団四季ミュージカルのCD” を聴いてみるのはいかがだろうか。「観る前に聞いちゃうの?」と思うかもしれないが、ミュージカルの楽しみ方には2通りあるということが最近わかった。
一つは予備知識無しで行って、初見の衝撃を味わう方法である。私は断然「予備知識無し派」である。しかし、旦那さんは違った。「できれば事前に音源を聞いて、歌詞や曲を知っていた方が楽しめる」ということだった。
なるほど、確かに普段聞き慣れないような言葉が出てくることがある。事前に歌詞や曲を少しでも頭に入れておけば、その分舞台に集中することができるかもしれない。
長く上演している演目は、レンタルショップでもCDを扱っているので、一度聴いてみるといいかもしれない。また、劇団四季公式Youtubeでは稽古風景や、色々なバージョンのプロモーションVTRが見られる。
まだまだ楽しみな作品がたくさん!
これまで観てきた演目も何度でも観たいのだが、他にもたくさん楽しみなものがある。
開幕が延期になった『アナと雪の女王』や、新作オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』も楽しみだし、ミュージカルの定番『マンマ・ミーア!』も『オペラ座の怪人』も見れていない。こころの劇場『カモメに飛ぶことを教えた猫』も気になる。
学生時代に見逃した『ウィキッド』の二の舞にならないよう、漏れなく観たいと思う。まずは今年2公演分予約した『ライオンキング』が無事に見られるよう、楽しみに待ちたいと思う。
【前編】『劇団四季ミュージカル』の再開を待ちながら、過去に観た作品を思い返す
コロナウイルス感染拡大防止のため、様々なイベントが中止・延期を余儀なくされている。命を守るためであるから致し方ないことであるし、英断である。
イベントによっては、オンラインでの開催や、無観客+Youtubeでの生配信など、会社・団体の存続に関わる危機の中にあっても尚、新たな挑戦や工夫をしているところもあり頼もしく感じる。
とは言え「やっぱり生じゃないと!」と思うものもあるだろう。
私にとっては『劇団四季ミュージカル』がそうである。公式YoutubeでプロモーションVTRを見たり、CDを聴いたりすればするほど、生で観たい気持ちが大きくなっていく。2020年もあと2公演分チケットを予約済みだが、できれば全てが収束した状態で、堂々と観に行けたらと思う。
今日はそんな再開の日を楽しみに、私が過去に観た作品を振り返りながら、感想や思い出、お勧めなポイント等を紹介したいと思う。「コロナウイルスが落ち着いたら何か特別なことがしたいな」と思っている方は是非参考にしていただけたらと思う。
ちなみに、あらすじは劇団四季のHPに掲載されており、改めて私がまとめることもないので、URLを添付させていただくことにする。
人間になりたがった猫
ミュージカル『人間になりたがった猫』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
私が初めて見た劇団四季ミュージカルである。小学生3年生くらいだったと思う。20年以上も前のことで、詳細なストーリーやセリフは覚えていないが、とにかく心を打たれたのを覚えている。
学校の課外授業として観劇したが「感動した!すごかった!」と興奮気味の私をよそに、周りの友達が冷めていたことが一番衝撃だった。「これで感動しない人がいるんだな」と思ったが、後に私が特殊な部類だと気づかされる経験する。
今年、全国公演の予定だったので、観たかったのだが12月の一部の公演を除き中止になってしまった。
「こころの劇場」という小学生対象の招致事業の演目になっているため、比較的お子様でも見やすいのではないだろうか。通常の演目でS席だと1万円前後だが、「こころの劇場」では、高くても5,500円位で、更に子供料金が安く設定されているのでリーズナブルである。「お子様と行く初めてのミュージカル」としてお勧めである。
上演時間は2時間5分(休憩含む)と案外ボリュームがあるので、お子様が飽きてしまうのが心配な方は、念のため通路側の席を予約したらどうだろう。
「こころの劇場」は他にも色々な演目があり、地方のホールや会館もまわってくれるので、今後、お近くで興味のあるタイトルがあったら足を運んでみてはいかがだろうか。
CATS
ミュージカル『キャッツ』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
おそらく劇団四季ミュージカルの中でもダントツに観てる回数が多い。
猫たちの世界に迷い込んだような会場の演出が有名である。一歩入るとそこは猫が集うゴミ置き場。会場全体に猫からみた大きさのゴミが飾られているのだ。開演前にそれらをじっくり見て楽しんでいる人も多い。
キャッツは演出上、普通の演目に比べて席数が少なく、会場もコンパクトである。その分、演者との距離が近く、息遣いまで聞こえてきそうな距離で観ることができる。
また、たくさんの猫たちが本物よろしく、気ままで好き勝手な動きをする。メインで歌っている猫と離れたところで、あくびをしたり、ゴミにちょっかいを出している猫もいたりして、どこを切り取ってもおもしろい。何度も見る価値のあるミュージカルだ。
前の方の席に座ると、ラム・タム・タガーというワイルドな猫に、観客のひとりが攫われるシーンがあるので、私も是非いつか攫われてみたい。ドキドキし過ぎて鼻血がでるんじゃないかと今から心配である。ほんの一瞬だが、ラム・タム・タガーに抱き寄せられたい乙女は是非最前列へ。
東京キャッツ・シアターでの公演が7/1から再開される。
ライオンキング
ミュージカル『ライオンキング』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
中学校の修学旅行で、生徒の投票でイベントが決まるというものがあった。予め先生が用意した候補から、行きたいものに投票し、ある程度人数が集まった3つくらいに絞られるというものだった。
候補は様々なジャンルのものが8つくらいあったと思う。私は「ライオンキング一択」だったのだが、150人以上いる同学年の中で、なんと投票したのは私一人だった。「投票するまでもなく、絶対ライオンキングに決まるでしょ」とすら思っていたので、その結果に驚きを通り過ぎ、呆然とした。「私って変わってるのかも」と思い始めるきっかけだった。
それから数年後、大学生でバイト代を貯め無事観に行くことができたが、期待以上の大変おもしろい作品だった。
歌やダンスはもちろんのこと、動物・植物の衣装や舞台演出がとても興味深く、どうやって動かしているのか、どうやって考えたのかと夢中になった。中でも私のお気に入りはハイエナの「エド」「シェンジ」「バンザイ」である。動きが、背中の曲線が、それはもう徹底的にハイエナなのである。
楽曲の中では (これもまたハイエナが登場するのだが)、『覚悟しろ』という曲で、ハイエナ達のコーラスをバックに、悪役のスカーが渋い声で歌い上げるシーンが最高にしびれる。エレキギターがかき鳴らされるロックなラストもかっこいい。
舞台上に動物たちが集うシーンを見たことがある方も多いと思うが、見どころは他にもたくさんある。最初から最後まで様々な仕掛けがあり、2時間半があっという間に過ぎる。
かなりのロングラン作品であるし、番組でも取り上げられたりしているため、馴染みはあるかもしれないが、まだ生で観たことが無い方は是非観てほしい。「観ようと思えば、いつでも観れる」と思っているとタイミングを逃してしまうので、ちょっとでも気になっていたら行ってみるべき。
ライオンキングは名古屋公演が6/28から、東京公演が7/12から再開予定である。
【再演熱望】美女と野獣
今はもう上演していないが、キャッツの次に何度も観ている作品である。元々、アニメーション映画の「美女と野獣」が好きだったため、迷わず観に行ったが、一度観に行ったら虜になった。
おそらく最後に観たのは12年前だが、今でも目に焼き付いているシーンがある。
1つは、王子が魔法で野獣に変えられる冒頭と、野獣から王子へ戻るラストの「変身シーン」だ。本当に魔法のようだった。
2つ目は、ベルを開放したビーストが、お城の高い塔で「ベルに愛されないなら、もはや人間に戻る意味などなく、命すら要らない」と歌い上げるシーンである。本当に塔のてっぺんにいるかのような演出と、ビーストの声量に鳥肌が止まらなかった。
CDを聴きながら繰り返し頭の中で再生しているものの、こんなに好きな作品なのに段々と色あせていくのがとても悲しい。わがままだが、いつの日かもう一度生で観られることを願っている。
ー後編へ続くー
【遠くへ行きたい】ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』の舞台を聖地巡礼
今週のお題「遠くへ行きたい」
パリに行きたい。
猛烈に、行きたい。
海外には、2度アメリカに行ったことがあるだけだ。正直、最近はあまり行きたいとも思っていなかった。
建築を学んでいた大学時代にはバックパッカーでもしたいくらい、実際に見てみたい建物や世界遺産が山のようにあった。だが、お金も時間も部活に費やすこととなり、「社会人になってお金を稼げるようになったら行こう」と悠長なことを考えていた。
しかし、大人になり新婚旅行でフロリダのウォルトディズニーワールドに行った際、時差ボケ&アメリカ食が合わないことから体調不良になり、帰りの飛行機で吐くという経験をし、もう無理していかなくてもいいかも・・・と思ってしまった。日本食も含め、様々な国の料理があったディズニーワールド内でも胃腸がもたなかったのだから、普通に他国の街を訪れるのは無理があると感じた。
それでも、今、パリに行きたいと思っている。
それは、ヴィクトル・ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』の世界を実際に歩いてみたいからだ。
聖地巡礼というやつだ。
小説『ノートル=ダム・ド・パリ』は街並みの説明がとても多い。アニメーション映画やミュージカルの「ノートルダムの鐘」を見て、おおまかなストーリーを知っている方にとっては尚更、「全然ストーリーが始まらない!!」とやきもきするほど、街や建物の描写が多い。そのため、軽快な展開が多い現代小説と比べると大変読みにくい。
私自身も劇団四季ミュージカルで感銘を受け原作小説を手に取ったものの、正直読みにくかった。有名な建築物については大学で学んだため多少知識はあったものの、パリの文化や街並み・歴史については、テレビや観光雑誌で眺めるくらいの知識しか無い私にとっては大変想像しづらいものだった。折角、ユゴーが丁寧に素晴らしさを熱弁したり、街の特徴を説明してくれているのに、脳内再生ができないのだ。
それでも8か月かかって最後まで読み切り、もちろん素晴らしい小説だったが、ユゴーの熱い思いが、私にはほんの少ししか理解できていないであろうということが非常に残念だった。パリについて少しでも想像できる人であれば、映画のようにそのシーンが頭に浮かぶ素晴らしい文章なのだ。しかし、私にはそれを再生するための材料が少ない。おおまかな想像はできても細部が難しい。
これでは、小説『ノートル=ダム・ド・パリ』の面白さの半分は感じられていないのではないか。
なんてもったいない。
だから今は、google mapやパリに関する文献を参考に、足りない知識を補っている。が、もどかしい。実際に見れば一発なのに。こんなにも“どこでもドア”が欲しいと思ったことはない。
小説片手に街を歩き、フロローの足跡をたどり、クロパン達と一緒に奇跡御殿からノートルダム大聖堂までの道を歩いてみたい。そして、カジモドが生き生きと動き回っていた大聖堂を様々な角度からこの目で見るのだ。
おそらく実際にパリを訪れるのはまだまだ先になる。しかし旅行は「準備している時が一番楽しい」という話もある。ということは、実際に訪れるその日まで、私はずっと楽しめるのだ。もしかしたら、行ったこともないのに目をつぶって歩けるくらい詳しくなっているかもしれない。
記憶に新しいと思うが、ノートルダム大聖堂は2019年の大火災により建物の一部が焼け落ちてしまった。自分が生まれる前から存在していたものだから、「なんとなくこの先もずっと存在している気がしてしまう」のだが、そんなことはないと思い知らされた。共感いただけるかわからないが、好きなロックバンドのライブに「そのうち行こう」と思っていたら解散してしまった時の「当たり前だけと、もう生で聴けないんだ」という受け入れがたい絶望感と似ている。
形あるものは、これまでもそうしてきたように時代にあわせて形を変え、最終的には無くなってしまうこともある。それは仕方がないことだとしても、是非一度自分の目で見てみたい、という思いはある。私は既にバンドの例で何度も絶望を味わっているから、ノートルダム大聖堂がこれ以上形を変える前に、自分の目で見てみたいと思う。