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『好きなものを「推す」だけ。-共感される文章術』は、ブログを始めたばかりの私に必要な本でした。

文章についてのノウハウ本をブログで紹介するのは、なかなかハードルが高いが、ブログを始めたばかりの自分にとって非常に参考になり、読み物としても面白かったため紹介したいと思う。

『好きなものを「推す」だけ。-共感される文章術』

ゲームジャーナリストであり、2014年に立ち上げたブログ「ゲーマー日日新聞」で2500万PVを達成したJiniさんが、「推し」と「推す文章術」を徹底解説した書籍。

arcadia11.hatenablog.com

 

 

<もくじ>

 

 

私に必要だったJiniさんの言葉

書籍を読んだことのある方は、このブログを読んで「全然活かせてないよ!」と思うかもしれないが見逃してほしい。私自身ブログを始めたばかりで色々と迷っていたため、この本を手に取ったのである。スキルは追々磨いていくとして、シンプルに自身の参考になった個所についてご紹介しよう。

 

本当に好きなものこそ、なかなか書けない

好きなものならいくらでも書けると思っていた。しかし、愛が強すぎてまとまらない。好きすぎて相応しい言葉が見つからない。なんなら「好きなはずなのに書けないなんて、本当に好きと言えるのだろうか・・・」という胸が苦しくなるほどの自問自答に陥ったりもする。

 

Jiniさんはそんな悩みに答えをくれた。

“本気で恋に落ちてしまった大本命の推し、いわば「神推し」”の推し文は、一発で書けるものではないというのだ。書きたいこと、好きな部分が多いからこそ、一番好きなポイントから書き、それを積み上げ「好きの塔」を組み立てていく必要があると。

 

しかもJiniさん自身も、神推しのゲームを、まだ推していないという。

恥ずかしながら、実はまだ『The Last of Us*1』を推していません。

5年もやっていて情けない話ですが、結局好きすぎて、まだその巨大な感情を言語化するにはいたっていないのです。

                     あとがきP,221より

 

これらの言葉は私を救った。大げさな表現ではなく、救ったのだ。書けないことで自分の「好き」という感情さえも疑い始めていたのだから、本当に読んでよかった。

私の「好き」という感情は紛れもないもので、じっくり書いていけばいいのだと教えてくれた。

 

そもそも社会性のない作品などあるでしょうか?という名言

私は、考察が好きである。小説・映画・ゲーム・マンガ・アニメ・・・どれにおいても「実はこういう意図もあったんじゃないか」とあれこれ推察したり、あいまいな終わり方をするストーリーでは、様々なパターンでその後を考える。もちろん作者が意図していない場合もあるが、正解か間違いかではなく様々な角度から考えるのが楽しいのである。

しかし、それを発信するとなると少し足踏みをしていまう。その作品に対する感想に、歴史や社会などの大きな枠組みが絡んでいる時、書いていて「ちょっとオーバーかな?」と感じることがある。すると、好きだからこそ、読者に「胡散臭いと思われたくない」という気持ちで、どこまで文章化すべきか迷ってしまうのだ。

だからと言って、それらを書かなければ自分の感想とは言えないし、発信する価値のない薄っぺらい文章になってしまう。

 

しかし、Jiniさんはこれを、作品の背景や社会・メッセージ部分を論じる手法「批評推し」と名付けていた。作品の表面に出てこない部分で、相手に共感してもらおうというものだ。

そもそも、社会性のない作品などあるでしょうか?

ー中略ー

作品であれ、人であれ、モノであれ、それが人間社会から生まれた以上は当然、その社会や歴史、文化の影響を受けるものです。

                 第3章 推し文を書こう P.137より

 

この部分には「確かに」と納得するほか無かった。皆、日々何かしらの影響を受け、それが思想の一部となっている。自分が作品を見てそう思ったことなら、オーバーでもなんでもない。言葉や表現の仕方を学び、文章の質を向上させることは必要だが、自分の感じたことを世の中の出来事と絡めて表現することは悪いことではないと思えた。

 

 

まとめ ー 学んだのは、好きなものとの向き合い方

この本を知ったとき、発売にあたり「抽選で本をプレゼント」というキャンペーンをしていたが、私は迷わず買うことを選んだ。自分には今必要な本で、お金を払って得るべき価値のあるものだと思ったからだ。

そして実際読んでみると、その価値がある本だった。具体的なノウハウはもちろんだが、上記に紹介したような「取り組み方」という面で勉強になった部分も多かった。

 

この本を読むと、著者のJiniさんが、自分の好きなことに真摯に向き合ってきた方であることがよくわかる。『きかんしゃトーマス』の背景を熟知し、中学でロックに魅せられバンドを組み、高校でハマった映画を深く知るためにアカデミー賞受賞作品をすべて見、大学では世界中の名作と言われる本を読みまくるという、まさしく“オタクの鏡”だと思う。

そして、全力で好きなものと向き合ってきた先にあったのが「推す」という行為だ。やはり人は、心から好きで、知識が膨大な人には勝てない。そんなJiniさんのエピソードから文章術だけでなく、好きなものとの向き合い方も学んだように思う。

好きなものを「推す」だけ。共感される文章術

好きなものを「推す」だけ。共感される文章術

  • 作者:Jini
  • 発売日: 2020/05/01
  • メディア: Kindle
 

 

*1:The Last of Us

Jiniさんイチオシのテレビゲーム。6月19日に「The Last of Us 2」が発売になる。詳しい内容を知りたい方はオフィシャルサイトへ。TOPICS | The Last of Us | プレイステーション® オフィシャルサイト