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【生き方・働き方】『ビジネスパーソンの新・兼業農家論』を読んで、暮らしの在り方を考える

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               Photo by Xavi Moll on Unsplash

小さな頃、漠然と「自然の中で生きる」ということに憧れていました。

 

・・・正直に言うと、「風の谷のナウシカ」とか「もののけ姫」のように、自然の一部として生きる方法はないのだろうかと、割と大きくなるまで考えていたんですが(笑)

 

それが大人になるにつれ、自然の中で生きる=「農業などに従事する」or「お金に余裕のある人が、別荘なんかを持つ」というイメージになって、私には縁のない暮らしだと思うようになっていました。

 

 

私たち夫婦は最近、生き方や働き方について考えることが多く、そんな折にこの本を手にしました。

小さな頃憧れていた「自然の中で生きる」というところに答えがあり、それは案外手を伸ばせば届くということを教えてくれました。 

 

今日は、自然に触れて暮らしたい、農業に興味があるという方必見!!『ビジネスパーソンの 新・兼業農家論』についてご紹介したいと思います。

 

 

<もくじ>

 

 

 

 

農業って「楽しくて、カッコよくて、健康的で、儲かる」

現在ビジネスマンとして働いているけど、テレワークを活かして自然と触れ合いながら暮らしたい!農業に挑戦したい!という方が増えていると思います。

ビジネスパーソンの新・兼業農家論』ではそんな方々に向けて、農業に対しての考え方や始め方を、実例と共に具体的に紹介しています。

 

著者は『The CAMPus』というインターネット農学校を開校している井本喜久さん。奥さんがガンになったことをきっかけに健康的な食への関心が高まり、『The CAMPus』を開校するに当たって、全国100人以上のおもしろそうなプロの農家に自ら会いに行ったという強者。

 

 

「おもしろそうなプロの農家」というのは、「楽しくて、カッコよくて、健康的で、儲かる」農業・酪農・林業を行っている人たちのことを指しています。

 

農業には「肉体労働で大変」「後継者がいなくて衰退気味」といったネガティブなイメージが強いですよね。特に、兼業農家と聞くと「農業だけでは儲からないから、他の仕事もしている」という印象も・・・

 

それが、「楽しくて、カッコよくて、健康的で、儲かる」ってすごくキャッチ―でずるい言葉だと思いません??

だって、そんな4拍子揃ってたら、始めたくなっちゃうじゃないですか(笑)

 

 

 

『新・兼業農家』という生き方

「楽しくて、カッコよくて、健康的で、儲かる」農業=『新・兼業農家』を実現するには、2つの大事なポイントがあります。

 

それは

①経営視点を持つこと

②農業と何かをつなげて動かすこと

です。

 

経営視点

農家は農作物を作ることに専念する人たちが多かったけれど、「これからは経営視点が必要」と述べています。

 

井本さんが会いにいった農家はみんな、誰にどうやって食べてもらいたいかイメージできていました。

どんなに手間暇かけて自慢の野菜を育てても、売り方まで考えないと「儲かる」ことができません。きっと儲からなければ「楽しく」ならないし、楽しくなければ「カッコよっくて、健康的」でいることも難しい・・・

 

そのため井本さんは、これから始めようと思っている人には、美味しい野菜作りの方法よりも、しっかりとした経営計画を立てることをすすめています。

 

そういった経営視点は、今まさに都会で働いているビジネスマンが持っている視点で、これからの農業においても強みになると言えます。

 

 

 

農業と何かをつなげて動かす

 

自然と共にある農的な暮らしを真ん中において、商売も社会課題解決への取り組みも、自らが興味を抱くあらゆる活動全てを有機的につなげて動かしていく。

それこそが、新・兼業農家である。

     『ビジネスパーソンの新・兼業農家論』P.53~54より引用

 

自らが興味を抱くあらゆる活動全て・・・って、そんな欲張りなことしてうまくいくの!?とちょっと驚きました。

 

でもこれって、経営視点で考えるならとても大事なことですよね。

 

売り方を考える時に、どうやったら自分が作ったものの価値を引き出し、継続的に売ることができるかを考えたら、必然的に「農業×○○○」という考え方になる。

そして○○○に入る可能性は多い方がいいわけで、 柔軟に他分野の要素と組み合わせて考えることが重要なんだと思います

 

これは同時に、新・兼業農家では単なる商売という以外にも、同時にいろんなことに挑戦できる魅力的な職業であることを意味していると思います。

 

実際この本に登場する方々は、「つくる」だけでは終わっていません。

加工してブランドを立ち上げることはもちろん、直営のレストランやカフェでとれたての野菜を出したり、収穫体験を開催したり、キャンプ場をつくったり。

井本さんの運営する『The CAMPus』では、「2030年までに全国の耕作放棄地をゼロにする」という壮大で素敵な目標まで掲げています。

 

農業と掛け合わせることで、社会も自分の暮らしにも、新たな価値を生み出しているのです。

 

 

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                                                    Photo by dylan nolte on Unsplash

 

 

考え方のポイントは「コンパクト」

そんな大規模な実例を見てしまうと、逆に敷居が高く感じてしまいますが、考え方のポイントは「コンパクト」。

それは規模だけでなく、小さいエネルギーで大きな豊かさを手に入れる、という考え方のことです。

 

農業で生計をたてようと考えた時に思い浮かぶのは・・・

ある程度の量を生産しないとお金にならない

       ↓

量を生産するには広い農地がいる

       ↓

農地が広いなら、機械や農機具がいる

       ↓

まとまったお金がないとできない

 

・・・という流れではないでしょうか。

私もそうでした。

 

けれど「コンパクト」という考え方は、井本さんが訪れた北海道のしんむら牧場で、放牧酪農を見てたどり着いたものでした。

 

そこで牛たちは、ハイテクな牛舎で緻密に管理されて育つのではなく、広大な牧草地で自由に草を食べ排泄し、乳搾りの時間になるとリーダーの牛を筆頭に勝手に搾乳所に集まってくる・・・というのびのびと生活をしていました。

人の手間も設備への投資も少ないのに、質のいい牛乳を使った様々な商品が販売され、しっかりと価値が見出されている例です。

放牧牛乳のミルクジャム|十勝しんむら牧場オンラインショップ

 

 

 

「どういう暮らしがしたいか」考えてみる

この本を読んで思ったことを率直に述べると、

①おもしろそう!

②自分にもできそう!

という2つ。

 

シンプルな感想ですがこの2つが非常に大事で、農業へのハードルを下げてくれています。

 

そこで、一番大事なのは「自分がどういう暮らしをしたいか」ということを明確にしておくことだと述べています。

もちろん何をするにもビジョンや計画がないと進められないけれど、井本さんの言う『新・兼業農家』は、逆にそれさえできていれば方法はたくさんある、ということがよくわかりました。

 

この本を読みながら色々と妄想している時間はとてもワクワクして楽しく、思わず思いついたことを書き出していました(笑)

自然に触れて暮らしたい、農業に興味があるという方は、お手に取ってみてはいかがでしょうか。