復讐を果たすことで、人は幸せになれるだろうか?
復讐を果たすことで、人は幸せになれると思いますか?
職場の人間関係で悩んでいる友人とのやり取りの中で考えたことです。
☟こちらを読むと、状況がわかりやすいと思います。
もはやイジメに近い境遇だと感じている友人は、どうやら復讐がしたいようなのです。
復讐を果たすことで、人は幸せになれるだろうか?
マルチエンドのゲームならここが分岐点となって、復讐を選べばおそらくバッドエンドまっしぐら・・・
アニメやマンガでも、かつては正義感に溢れた青年が、復讐を果たすも恨みや怒りに囚われ闇落ち・・・
そんなシナリオしか頭に浮かばないのは、フィクションの見すぎでしょうか。
みなさんは、どう思いますか?
非常に難しい問題ですよね。
なんせこの問題、幸か不幸かチキンな私は、現実で試したことがありません。
いつもモヤモヤが残りつつも、次に進むことを選んできたと思います。
だから、復讐ルートの結末を体験したことがない。
バッドエンドじゃないケースって、あるんでしょうか?
そこまでして残りたい会社なのか?
復讐と言っても、労働基準監督署やその会社の相談窓口に状況を話して、対象の人たちを飛ばしてもらうとか辞めさせるとか、そういうことです。
これだけ聞くと極めて冷静な対処方法に思えますが、問題は本人が恨みと怒りの念に燃えていることです。
例えば、、、
「今までは、人間関係や仕事もうまくいってたのに、新しくきた上司のパワハラのせいで、環境が悪くなった」
ということであれば、その上司を飛ばしてもらう・辞めさせる、というのは有効で、労力をかける価値があると言えるでしょう。
しかし、今回は対象が多すぎる。なんなら組織自体が腐りきっている場所です。
会社全体とは言いませんが、少なくともその部署については、是正するにしてもどこから手を付けるんだろう、と思うくらいです。
しかも、友人には味方がいないと言っていい状況。(スタッフ全員を知っているわけではないので、正しくはわかりませんが。)
その場所で、どこまで戦うつもりなのか。
体をはって内部に残って、対象の人たちを排除したとしても、また同じような人が生まれるか、移動してくるでしょう。
もしこれが、
「労基と会社の相談窓口にチクって、辞めてやるわ~(笑)」
っていうノリなら、「あら、いいじゃない」って言いますけどね。
友人は「悪いのはあっちなのに、私が辞めるのはおかしい」と考えています。
それも理解できる。
では、上司も同僚も一掃するまで戦い続けるのか?
仮にそれが実現したとして、相当な年月がかかることが予想されます。
その間ずっと、マイナスの感情が中心でピリピリイライラし、プライベートの時間でも会社のことを考え、精神が不安定になり、眠りが浅くなり、家族さえ話かけずらくなる・・・そんな環境に身をおくことになるのではないでしょうか?
そうまでして、その会社に居たい?
自分の人生の一部を引き換えにする、その価値があるだろうか?
もちろん、判断するのは私ではありません。
しかしそれなら、新しい環境で、気の合う人たちと仕事する方が何倍も有益ではないだろうか、と思うのです。
「復讐」か「自分の幸せ」か、今が分かれ道
友人は私に、戦う自分を応援してほしかったそうです。
「私は、あなたの今の計画には賛成できない。
でも、その復讐だけがあなた自身を幸せにし、労力をかける価値のあるものだと思うなら、止める権利もない。あなたの人生だから。」
先の話をしたうえで、私はこのように伝えました。(「賛成できない」、とだけ伝えたら、心を閉ざしてしまうかもしれないと思ったのですが、どうだったかな・・・)
劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」のプロモーションVTRの中に、こんな一節が出てきます。
何が人を人間にし、何が人を怪物にするのか。
劇団四季:ミュージカル『ノートルダムの鐘』:名古屋公演プロモーションVTR
まさに、復讐を目的として生きるか、自分の幸せを選んで生きるか・・・大げさかもしれませんが、今が友人にとっての「人間」か「怪物」かの分かれ道に思えてなりません。
少なくとも、私としては「怪物」にしたくはない。
けれど、本人にとっては、わかっていてもそう簡単に割り切れるものでもない。
人間には感情があるからこその、難しいところです。
でもできれば、本人自身が納得して、気持ちよく前に進んでほしい。
私の想いが届いていることを願うばかりです。
最後に
連日友人の話をしているので、念のため補足しておくと、私自身はそんなに感情的になっていません。
おそらく昔の私なら、友人の感情に巻き込まれて、一緒に怒ったり泣いたりしてたかもしれません。
しかし、自身がHSP(Highly Sensitive Person=敏感な人)だということ学び、「他人との感情の境界線が薄く、同調しやすい特徴がある」と理解したことが役にたっているようで、うまく一歩引いて見ることができています。
そのため、私自身は極めて心身ともに健康な状態を保っています。
自分の足場を固めておかないと、溺れている人を引っ張り上げられません。
友人を引っ張り上げる準備ができているんですがね。あとはタイミングだけ。
その時まで、ちゃんと陸にあがっておきたいと思います。