【防災対策】マイ・タイムラインで、洪水時の対応について考えよう!
『マイ・タイムライン』って知ってますか?
「洪水が起こりそうなときの自分や家族の行動を、あらかじめ決めておくもの」だそうです。
近年、気候変動の影響で、立て続けに様々な自然災害に見舞われています。特に台風や集中豪雨による、川の氾濫や洪水の被害は記憶に新しいのではないでしょうか。
物資的な備えに加えて「どのタイミングで、どんな準備をするのか、どんな行動をとるのか」という具体的な計画を考えてみませんか?
マイ・タイムラインとは
マイ・タイムラインとは、平成27年9月関東・東北豪雨にける避難の遅れや避難者の孤立の発生を受けて、国・県・鬼怒川・小貝川沿川市町で構成される「鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減殺対策協議会」によって検討、作成されたものです。
台風や豪雨で洪水が起こりそうな時に、自分や家族がとる行動を、あらかじめ時系列的に整理し、まとめておくものです。
時間的な制約がある洪水発生時に、行動のチェックリストとして、また避難判断のサポートツールとして活用されることで、「逃げ遅れゼロ」に向けた効果が期待されています。
どうやって作るの?
オリジナルの計画表を作ればいいので、紙に書いたり、エクセルでまとめたりしても良いと思います。しかし初めて作るなら、簡単に作れて作成時のヒントも掲載されている『逃げキッド』を活用するのが良さそうです!
※当然ながらダウンロードバージョンでは、付属のシールはシール状になっていません。
本来、鬼怒川・小貝川流域に住んでいる小中学生向けに作成されたツールのようですが、誰でも使えるように改変されたものが、国道交通省のホームページから無料でダウンロードできます。
資料自体が分かりやすく、動画での説明も見ることができ、手順に沿って作っていけば簡単に作ることができます。
そして工程の中には、普段なかなか確認する機会がない、ハザードマップや洪水浸水想定区域図で、周辺環境を調べることも含まれています。
マイ・タイムライン作成によって、自分が住んでいる町をよく知るきっかけにもなりますね!
マイ・タイムライン | 河川 | 国土交通省 関東地方整備局
また、『Webでマイ・タイムライン』という、Web上で作れるツールも登場しています。こちらは直接打ち込んだり、タブから選んだりすることで簡単に作成することができます。
マイ・タイムライン作成のメリット
東日本大震災以降、防災に対する意識が高まり、水や食料などを準備している方も多いでしょう。しかし、物資を充分に用意していても、見落としやすいものや、すぐに手配できないものもあります。
病院で定期的にもらっている薬や、女性なら生理用品・赤ちゃんがいる家庭ではおむつや粉ミルクなど、ある程度の日数分必要なもの。また、アレルギーをお持ちの方は避難所で配られる物資では対応できないこともあり、これまでも度々ニュースになっていました。
これらは、事前に病院にもらいに行ったり、ある程度の量を買っておく必要があります。
更に、高齢者やペットがいるご家庭では、移動先や移動にかかる時間にも気を使いますし、必要な荷物も増えてしまうかもしれません。すると、「どこに・何で避難するのか」も事前に考えておく必要が出てきます。
※『逃げキット』の書式には、備えの例も記載されていて、考える際のヒントになる
このように、緊急時とっさに対応することが困難な事項について、じっくり考えることができるのが大きなメリットと言えます。
突然やってくる地震と違い、洪水は時間を追って進行していくので、事前に想定・準備をしておけば生存確率が格段にあがるはずです!家族構成や生活環境に合わせて、自分の取るべき行動をイメージしておくいい機会になりますね!
最後に
台風と言えば、昔は西日本、特に沖縄や九州方面で大きな被害がある印象が強かったですよね。同時に洪水の被害もそれらの地域で多かったように思います。
しかし近年、気候変動の影響で予想外の豪雨や、今までとは異なる台風の進路や強さによって、様々な地域で大きな被害が出るようになっています。今や、いつ・どこで・どんな被害が出てもおかしくありません。
そして、こうした災害に不慣れな地域・経験したことのない方こそ、この「マイ・タイムライン」が役立つと思うのです!
経験したことがなければ、事前準備と言えども、何をどうしたらいいかわからないことが多いと思います。そこで、まず自身で「マイ・タイムライン」を作成しながら、イメージトレーニングをしてみる、というのは有効ではないでしょうか。
災害時は身の安全を確保することが最重要!水や食料など物資的な備えができていても、避難の判断が遅れてしまっては元も子もありません。
もちろん、自然災害はこちらが予想した通りに訪れるわけではありませんので、あくまでも目安にはなりますが、慌てず逃げ遅れないように、防災対策として取り入れてみてはいかがでしょうか。