【少子化対策】新婚生活60万円補助で、少子化に歯止めはかかるのか?
「内閣府は9月20日、少子化対策の一環として、新婚世帯の新生活にかかる費用について、来年度から60万円を上限に補助する方針を固めた。」というニュースが報道されている。
少子化が進む理由には様々要因があり、「ひとつの対策ですべて解決する」なんてことはない。
しかしこのニュースを見て、29歳サラリーマンの旦那は、
「とりあえず、法律で残業を制限してくれ」
と言い放った。
今回の改正は、少子化対策に本当に効果があるのだろうか?非常に興味深いニュースだったので、私たち夫婦のつぶやきを聞いてほしい。
目的は「結婚に伴う経済的負担の軽減」
今回の施策はそもそも「結婚新生活支援事業」の内容の改正で、「地域少子化対策重点推進交付金」というものの一事業である。
事業概要としては内閣府のHPにて以下のように記載されている。
結婚に伴う経済的負担を軽減するため、新婚世帯に対し、結婚に伴う新生活のスタートアップにかかるコスト(新居の家賃、引っ越し費用等)を支援する地方自治体を対象に、国が地方自治体による支援額の一部を補助する。
<内閣府HP>
令和2年度 地域少子化対策重点推進交付金: 子ども・子育て本部 - 内閣府
そしてこの事業は以下の2つの統計を基に作られたものだそうだ。
①結婚に踏み切れない主な要因は経済的理由
※内閣府HP「結婚新生活支援事業について」より引用
②結婚を希望する人に対して、行政に実施してほしい取組
※内閣府HP「結婚新生活支援事業について」より引用
つまり
「結婚したいとは思っているけど、色々とお金がかかることを理由に諦める、または先延ばしになってるなら、家賃・敷金・礼金・引っ越し代とか補助するから、結婚して一緒に住みなよ!」
っていう事業です。
補助対象は「婚姻に伴う住宅取得費用または住宅賃借費用、引越費用」とあるので、「家を買う費用」も対象だとは思いますが、そもそも結婚するのにお金がなくて困ってた若者が、60万上限の補助(現在はまだ30万上限)で、いくらの物件買うんだって話なので、だいたいは賃貸を借りるということになるのでしょう。
来年度から改正される点
今回決定した改正内容は、対象世帯と補助上限額である。
<現行>
- 対象世帯:夫婦共に婚姻日における年齢が34歳以下かつ世帯所得340万円未満の新規に婚姻した世帯
- 補助上限額:1世帯あたり30万円
<改正後>
- 対象世帯:夫婦共に婚姻日における年齢が39歳以下かつ世帯所得540万円未満の新規に婚姻した世帯
- 補助上限額:1世帯あたり60万円
ちなみこの施策は「結婚新生活支援事業」を実施する市区町村のみが対象で、全国民対象ではない。お住まいの地域が対象かどうかは内閣府HPに記載があります。
※下記URL内「交付決定状況について」を参照。
<内閣府HP>
結婚新生活支援事業について: 子ども・子育て本部 - 内閣府
少子化の問題って、そこだっけ?
現在私自身、妊活中である。
そろそろ、と思い始めてからかれこれ3年程経つ。
今年の初めに退職したくだりは別の記事でもかかせて頂いたが、心身ともにストレスフルな働き方をしていたため、子供のことを真剣に考え始めた結果でもある。
そこに至るまで、産婦人科で夫婦共に一通り検査を受けたが問題は無く、主治医のアドバイスのもとで妊活に励んできたが、コウノトリが飛んでくる気配は無かった。
「辞めたらあっさりできた」なんて話はよく言われているし、実際自分の周りでもそんな事例がちらほらあったが、それから、およそ半年たつが今のところ音沙汰は無い。
一方、旦那はと言うと、14時間労働に仕事量の多さ、任せられる仕事内容の重さに、連日クタクタになって帰ってきている。
妊活のタイミングを合わせようにも、そんな状態だと難しいし、何より気を使う。
事前にタイミングの予測はしているので、それに向けて仕事の調整をし早めに帰宅する工夫もしてくれるが限界があるし、そもそも日取りがズレることだってある。
少子化ーもっと言えば子供ができない・つくらない理由としては、様々なものがある。年齢・食生活・娯楽の多さ・多様なライフスタイルなど・・・
そしてその中には現代の働き方も挙げられ、長時間勤務による運動不足やストレス、デスクワークで座りっぱなしなのも男性にとってはよくないと言われている。
それを踏まえると、極端な話、
「会社が少子化を加速させている」
と言えないだろうか。
我が家は結婚当初から「絶対欲しい!」というより「できたらいいな」くらいの感覚だった。
しかし、私たち自身の生物的機能や健康状態に問題が無いのに、外的要因によってできない・産めないとなると、かなり癪である。
ちなみにこの長時間労働問題については、先に挙げた「②結婚を希望する人に対して、行政に実施してほしい取組」の中の、第5位にランクインしている。
(もしかして、コロナ禍で普及し今後も拡大・進歩が期待されるテレワークや在宅勤務により、通勤にかかる時間や残業の問題は解決してくのかもしれないが、旦那は在宅ではなかなか仕事ができない業種である。
現に、在宅勤務を推奨され、7月末に会社から支給されたノートパソコンの出番は、今のところ1回のみである。しかも半日、在宅で使えるかどうかのテストで(笑))
日々一生懸命に働き、税金を払い、社会に貢献しているというのに、「仕事のために子供は諦めろ」と言われているような気がしていまうのは、私たちだけだろうか。
そんな訳で、近頃若干ムキになってきている私たち夫婦である。
別に期待はしていなけど、他にやることあると思うよ
それでは「今回の改正で少子化に歯止めがかかるか、かからないか」で言えば、これでけでは歯止めがかからないと思っている。
というか、「これで解決ですね!政府素晴らしい!」と思っている国民はいるだろうか?
あくまでも、今回の改正は少子化対策のほんの一部であり、「経済的理由で結婚を諦めることがないように」と、少子化対策そのものというよりその前段階を助けるためのものである。
おそらく、「②結婚を希望する人に対して、行政に実施してほしい取組」という統計の中で、一番手を付けやすいものだったのだろう。
手を付けやすいものからさくっとやっちゃうのは、仕事の仕方として間違ってはいないが、「手のつけにくいモノ」いつ手をつけるのかが重要になってくる。
そしてその中にこそ、少子化を解決するためのカギがあるはずなのである。
尚、少子化対策の指針として策定された「少子化社会対策大綱」にて、日本の少子化の進行に「時間的な猶予はない」と書かれているので、近いうちにきっと、それはそれは素敵な対策案が発表されることでしょう。
私たち夫婦のふたり言
・・・とまぁ、色々と書いてはみたが、本音としては、
「政策には全く期待してないので、もう全然いいんですけど、もしあえて言うならば、残業を減らし家族と過ごす時間を増やせるようにしてほしいし、残業を減らしても生活していけるくらいの給料を出してほしいです。
ちなみに、別に贅沢したいとは思いませんが、生活って言ってもギリギリ生活できるとかのレベルじゃなくて、多少楽しみにもお金を使えるくらいの余裕があり、家族が笑って暮らせるような生活のことです。」
今のところ、我が家ではこれに尽きるのである。